タイニーハウス小菅デザインコンテスト2020結果発表
応募者各位様
この度は、タイニーハウス小菅デザインコンテスト2020に応募、大変有難うございました。
第4回を迎えた今年度は、エントリー数787組、応募作品数は336組を数えるコンテストとなりました。応募いただいた方々には厚く御礼申し上げます。第1回の作品数は49名でしたので、4年で約7倍の応募作品数になった事になります。
4回目を迎えたコンテスト応募者の概要は、学生・院生の方が約55%、建築関係者が35%、一般の方が10%と言った構成でした。今年も若い学生方からの応募が多かったのが特徴で、専門的な方だけでなく建築関係者以外の方からの応募も沢山ありました。建築関係者以外の方でも応募できるのがこのコンテストの特徴になっています。
また、今年度は地元小菅小学校の生徒さんからの応募もあり事務局としても感慨深いものを感じております。4年前に小菅村でタイニーハウスの建設を始めた時には想像もできない規模となりました。皆様の応援なしでは成り立たなかったコンテストであると思います。タイニーハウスにはマスコミからの取材も多くなり、また一般の方や地方自治体の方の視察も年々増えております。タイニーハウスが広く世間に認知されて来たと感じています。
今年度は「これからのタイニーハウス」を応募テーマに掲げてコンテストを実施いたしました。「これからの・・・」という応募テーマのせいか、今回の各作品の掲げるコンセプトやテーマは非常に幅広く、多様な視点から作品が提案されました。キーワードとしては、人・自然とのつながり、ユニット化、透ける、植物と一体化、シェア空間、ホームオフィス、屋上利用、地下利用、家族の形、ファームハウス、オフグリッド、リユース、モービル型、増殖する家、仕掛け・カラクリ、仮設住宅、コミュニティー、ツリーハウス、空き家活用など一般的な住宅を超える多様な考え方が提案されました。
そんな関係で今年度は選定に大変苦労いたしました。結果はまさにこの点を表しております。各賞はこれらを反映した結果でした。詳細は以下をご覧ください。
タイニーハウス小菅プロジェクトは新しい住まい方である「タイニーハウス」の普及の為、今後も本事業を進めてまいりたいと思います。皆様とともにこの事業を継続し、育ててまいりたいと考えておりますので、これからも皆様のご支援・ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
受賞された皆様には心よりお喜び申し上げます。授賞式等の今後の予定は事務局よりメールにてご連絡申し上げます。しばらくお待ちください。また、惜しくも入選されなかった方々にも心より御礼申し上げます。小菅村では皆様とのご縁をこれからも大切にしてまいりたいと思います。引き続き小菅村をよろしくお願い申し上げ、御礼とさせて頂きます。
審査総評
審査総評:
審査委員長:小菅村長 舩木直美
「タイニーハウス小菅デザインコンテスト2020」に今年も多数応募いただき厚く御礼申し上げます。年々応募者の数も増え当コンテストも盛大になって来たと感じており、今年度は約336点にも及ぶ作品が寄せられたことに対し大変うれしく思っております。
小さな村から発信したこのコンテストですが、村にとっては大きなインパクトを頂きました。マスコミからの取材も年々増え、最近では小菅村=タイニーハウスの村と言われるまでに認知されるようななったことは村としても大変うれしい限りです。これもひとえに皆様の応援の賜物と感謝しております。
コロナ感染が拡大するという特殊な環境下でのコンテストでしたが無事審査を終え、皆様に発表する事が出来る運びとなりました。時間はかかりましたがその分しっかり審査が出来たと感じております。今年度の特徴はコロナ感染の影響からか早くもホームオフィスを取り入れた提案が見られました。住まいの環境も年々変化していくのを強く感じた次第です。
提案された作品も多種多様な作品が寄せられ、楽しく審査をする事が出来たとともに、タイニーハウスの可能性を感じることが出来ました。
小菅村は美しい自然や心穏やかに生活している村民を支えていくために、大きな可能性を持ったタイニーハウス事業を伸ばしていくために応援してまいりますので、これからも当コンテストに対するご支援・ご協力の程、よろしくお願い申し上げ総評といたします。
受賞作品一覧
最優秀賞
該当なし
今年度は飛びぬけた作品が無かった事と、タイニーハウスに対する多様な提案が多かったため見送らせて頂きました。
優秀賞1
『Minimum community TINY HOUSE』
登録番号 TK0139 長谷川ユウジ
この作品は小菅村の地域特性を考慮し、タイニーハウスを活用した小規模共同体の提案である。タイニーハウス本体の魅力だけでなく山間地域で生活を行う上での生き方、暮らし方まで踏み込んで提案をしている所が評価された。建物の考え方もコンパクトでありながら隅々まで検討された素晴らしい計画案である。人と自然とのつながり方や若い世代がこれから山村や農村で生活をして行くための大きな指針となるであろう。
優秀賞2
『共に住まう』
登録番号 TK0261
富岡明日香
關本丹青
野澤潤一郎
この作品は人や建物が年齢、家族構成、職業、用途などの変化に対応できるよう、一辺1.36mほどの6角形ユニットを繋ぎ合わせることで自由に可変できるタイニーハウスを提案している。6角形のユニットに違う機能を与えたことにより自由な展開を可能にするアイデアが評価された。これからの時代を先取りしたような提案である。
優秀賞3
『束の間の家』
登録番号 TK0651 大峯竣平 堤康浩
この作品は「家とは何だろうか」と考えた結果、自分で家を作るための「原点となる家」の提案である。格子状の基礎に2Ⅿ角の物置小屋と丸太の架構がかかっただけの家である。自然と向き合い、自分と向き合いこれからの自分の家を探し、作っていく様を表現している。これからどの様な家が生まれるのか分らないが、家を考えるきっかけを表現した所が評価された。
優秀賞4
『空き家×タイニーハウスビレッジ』
登録番号 TK0756 上見浩基 犬童伸浩
国で問題となっている空き家をタイニーハウスビレッジとして蘇らせようとして提案された作品である。空き家の再利用法として1世帯の家を3世帯で使い、減築した部分をコモンスペースとして活用、お互いに支えあって生きていけるような環境を構築した所が評価された。空き家の活用方法として面白い作品である。
小菅村長賞
『自給自足工房』
登録番号 TK0067 ⼩松幸廣
タイニーハウスデザインコンテストを4回開いている中でオフグリッドは毎回提案されてきているが、この作品はオフグリッドアイテムを全部入れたような実に楽しい作品である。細部にわたって詳細な提案が述べられている。オフグリッドをまとったようなタイニーハウス、こんな家が有ったら楽しいオフグリッド生活が出来そうである。自給自足は小菅村の永遠の課題であり地域の自立のためには欠かせないアイデアである所が評価された。
YADOKARI賞
『最小限住墓』
登録番号 TK0244 中山晋吾
家を終の棲家どころでは無く自分のお墓として建設するという、奇想天外なアイデアが評価された。今、日本中で「墓じまい」というこれまででは考えられない現象が起きている。お墓を作ってもだれもお参りに来ない墓が続発し問題となっている。自分の家が墓所として、コミュニティーの場として近隣の方に利用してもらうアイデアは、これからは必要になるかもしれない。
細田工務店賞
『緑のフィルターを羽織る家』
登録番号 TK0769 本多健
タイニーハウスと壁面緑化、しかも緑の多い自然の中でと考えがちだが小さいからこそ開放的な住まいをと考えた時に、視線が気になる。その解決案として壁面緑化は面白いアイデアである。周囲のステンレスワイヤーは構造体としても機能する。緑化機能だけでなく農作物の柵としても活用できるだろう。オフィスだけでなく住まいとしても十分機能するであろう。
小菅つくる座賞
『友と嘘とコーヒーと胃袋ハウス』
登録番号 TK0391 高山祐梨子
家の機能を用途ごとに分割、それぞれで機能させるとともに集合させることにより1軒の家としても機能する。また、各ユニットが小さく設定されているので移動も簡単に出来そうである。状況や必要に応じて各ユニットそろえて行く事もでき、フレキシブルに富んだ点が評価された。友達と各ユニットを持ち寄って住まいを作る事も出来そうである。
奨励賞1
『りっぽうたいの家』
登録番号 TK0418 中川 遥樹
この作品は小菅小学校4年生からの提案である。4Ⅿ角の立方体を4つ並べ各立方体に機能を付加し大家族でも暮らせるタイニーハウスを提案した点が評価されたことと、わずか10歳にしてこの作品をまとめあげたことに審査員一同驚かされた。家での一日の生活を想定してプランニングをしている点も特筆したい。将来が楽しみである。
奨励賞2
『GENRYU MR2 Future House』
登録番号 TK0438
守重瑠華 木下美紅
細⾕莉旺 藤木美友
この作品も小菅小学校 6年生グループからの作品である。このグループは自由学習の時間に小菅村にあるタイニーハウスを見学し、学習発表会のためにまとめた資料を作品としてまとめ、提案したものである。タイニーハウスを木造で建てることにより村の森林が守られるというメッセージが素晴らしい。模型まで作って詳細に検討したことが評価された。