さる6月17日に小菅村YLO会館のお披露目会会場において
「第2回タイニーハウス小菅デザインコンテスト2018の表彰式」を行いました。
今回の受賞者は、遠くは佐賀県から、その他岡山県、群馬県からもお出でいただきました。
小菅村は公共交通機関が十分整備されていないために佐賀県からの受賞者には前泊していただき、
表彰式に参加いただきました。ほんとに遠方から有難うございました。
表彰式会場は耐震補強を兼ねた改修工事により生まれ変わった旧小菅村中央公民館(別名YLO会館)にて行われました。
改修された新しい建物は1階に木工工房(デジタルファブリケーションを中心に整備予定)、2階が村営図書館、3階は村民が自由に使えるキッチンスタジオやサロン、コワーキングスペース等、4階が約200名収容の講堂として生まれ変わりました。
村民だけでなく村内外の方々が様々な活動の拠点として活用できるよう計画されました。
当日の会場全体の様子
タイニーハウス小菅デザインコンテスト表彰式はこの建物のお披露目イベントの一部として開催されました。
当日は休日にもかかわらず、大勢の村民にお出でいただきお披露目会は予想以上の盛り上がりとなりました。
表彰式以外に1階では木帯細工体験やレーザープリンターによるコースター作り、根羽村より木のおもちゃ体験コーナー、フリーマーケットが、2階では図書館の開館に合わせ子供たちへの絵本の朗読、3階ではキッチンスタジオを活用した来客者へのドリンクやデザートのサービス、表彰式や昔ながらの演芸等、4階ではヨガ教室や体操教室等盛りだくさんのイベントが行われました。
表彰式の様子
そしていよいよ表彰式です。
最優秀賞には群馬県からお出でになった根岸陽さんで、舩木直美小菅村長より特製トロフィーと副賞が贈呈されました。このトロフィーは小菅村の桧で作られた世界で一つだけの小菅村オリジナルのトロフィーです。
最優秀賞
登録番号 DC8155 根岸 陽
タイトル 凸凹ハウス 森に開かれた細長い家
最優秀賞の根岸陽さんは、オランダで建築を勉強したという異才です。
根岸さんの提案は巾が1.8m、長さが約13mの建物で常識ではとても建物として使えそうにないような形状でしたが、その内容は細部まで検討されており、何よりも森の中に建てたら自然との一体感が生まれそうな楽しい生活空間の提案でした。
巾1.8mの空間がどの様な体験をもたらしてくれるか、大変楽しみな作品でした。この作品は村内に建設される予定です。
優秀賞
登録番号 DC8240 蜷川 結
タイトル 森に咲く家 森と踊る家
優秀賞は京都府出身の蜷川結さん、蜷川さんは現在ドイツで忙しく活動の中、作品を提案していただきました。
作品は四隅に配置した各機能により部屋の機能も変わるというユニークな提案でした。小さな空間をいかに快適に使うかと言う点を見事に解決した提案です。秋には帰国するとの事でしたので表彰はその折行う予定です。
特別賞
登録番号 DC8049 高橋賢治+山本至
タイトル OFF-GRID LINK
特別賞は2点、初めは東京からお出でになった高橋さん、山本さんお二人による作品でした。
お二人の作品は住まいの機能を憩の場、休む場、食べる場の三つに分割、それぞれに自然エネルギーとのかかわりを持たせた分割型の提案でした。各機能を分割する事により住宅の離れからシェアハウスの様な大きな住まいまで組み合わせによりフレキシブルな空間を作り出す事が出来ます。
また、デザインも洗練されていますね。お二人とも設計事務所を開いたばかりとの事です。
特別賞
登録番号 DC8350 塩島康弘
タイトル NAGA-HOSO HOUSE
もう一つの特別賞は長細ハウスを提案していただいた塩島さんからの提案でした。
受賞後の懇談の中で印象的だった事は、「タイニーハウスのデザインは人に近い作業だし、デザインそのものが楽しかった」とのコメントを頂いた時でした。
小さいからこそ何を大事にするか、何を捨てるかなどタイニーハウスのデザインは大きな家とは違います。
シンプルながら楽しい空間が出来た時に喜びを感じるのです。塩島さんの作品にはまさにそのような空気が満ちていますね。
YADOKARI賞
登録番号 DC8348 大西 洋
タイトル SAUNA HOUSE 自然と遊ぶシェアするサードプレイスハウス
次は主催者の一人であるYADOKARI賞です。
受賞者は大西さんを中心に5名の方のチームでの提案でした。
この作品はタイニーハウスとサウナを掛け合わせた上にテレワークまで取り込み、日常生活においても自然の中でサウナ入浴を味わえるという夢のような生活空間の提案でした。
小菅村は寒い所ですがサウナが有ったら冬でも楽しい生活を送る事が出来るわけで、ベストマッチングだと思います。ありそうでない提案でした。
入浴後フィンランドのように川に飛び込むなんて事が出来るのは都会では無理ですよね。しかもしびれるほど寒い小菅村です。タイニーハウスの楽しみ方として大変面白い提案でした。
村長賞
登録番号 DC8197 Thet Su Hlaing (タスーライ)
タイトル ZOOM-IN IN TO THE NATURE
最後は村長賞のお二方です。
一人目はミャンマーから佐賀大学大学院に留学中のThet Su Hlaing(タスーライ)さんです。
日本語の読み書きはまだ自信がないとの事ですべて英語表記の作品でした。自然や風景にフォーカスした作品はシンプルで明快な点が評価されました。
スーさんには前日に来村していただきタイニーハウスに泊まっていただきました。初めての山梨県来県で、富士山は是非行ってみたい場所との事でしたので、お友達ともども富士山五合目まで観光してまいりました。当日はしとしと雨模様の天気でしたが、ラッキーな事に五合目は晴天、富士山の頂きを見る事が出来ました。授賞式の前には村民とともに村のクリーンキャンペーンにも参加いただきました。
まだ23歳の女性ですが、建築家としてこれからのミャンマー建築界を支える人材と思います。また小菅村に遊びに来て下さい。
村長賞
登録番号 DC8220 田中健昌
タイトル 週末東京 仕事小屋付オフグリッドタイニーハウス
もう一人は田中さんです。
田中さんは東京都出身ですが現在岡山県津山市で地域おこし協力隊として活躍中です。
東京都出身だけあり小菅村の地理や位置情報には詳しく、そこから「週末東京」と言うアイデアが生まれたそうです。地方でのテレワークをタイニーハウスと結び付け、週末は東京に仕事や遊びに行くという東京人とは逆の生活提案でした。時間・コスト・ストレス色んな意味で価値のある提案と思います。タイニーハウスの活用法としての提案、村長直々の選定でした。
なお作品の詳細は下記サイトでご覧ください。
http://tinyhouse-kosuge.com/2018/06/15/design-contest2018/
授賞式を終えて
今回の受賞者は若い方が多く、これからの日本をリードして行く人材ではないかと思います。
小菅村としてもこのコンテストを若い人に開放して行きたいとの思いもあり、結果として若い人が受賞したことに大変喜んでおります。
タイニーハウスはまだまだ認知度が低い分野ですが、考え方はこれからの住環境をリードして行くテーマだと思います。
「新しい住まい方の提案」であるタイニーハウスに対し小菅村はこれからも取り組んでまいります。
小さな家に住む事だけでなく、社会の様々な誘惑から身軽になる事により身も心も軽くなる事が出来ます。その事により、より自由な生活を手に入れる事が出来るのです。住まいに対する考え方を少し変えるだけで新しい世界が待っています。
こんな住まい方を提案して行くために小菅村は引き続きコンテストを継続していく所存です。
来年も第3回デザインコンテストが開催できるよう頑張りますのでこれからも応援よろしくお願いいたします。皆様とともに新しい文化を発信してまいりたいと思います。
また、タイニーハウス小菅プロジェクトでは皆様のタイニーハウス作りを応援するためにデジタルファブリケーションを中心にした木工工房を表彰式の会場となった小菅村YLO会館内に近直開設する予定です。
ここではタイニーハウスを建てたい人に設計アドバイスから設計協力、建設のためのスキル養成、そしてセルフビルドを考慮した建設支援等を行っていく予定です。
またタイニーハウスをベースにした家具等の制作等も行う予定です。近直、発表出来るよう現在詳細を検討中です。ご期待ください。
小菅村は皆様とともに新しい住まい方であるタイニーハウスの普及の為これからも挑戦してまいります。
事業を加速化するために皆様からの色々な支援もお待ちしておりますので、ご興味のある方は是非ご一報ください。「タイニーハウス小菅プロジェクト THKP」をよろしくお願いいたします。