《応募要綱》
テーマ:森林(自然)の活用
主旨
小菅村は森と水に恵まれた土地であるため、古代から人が住んでいた痕跡が村内各地で発見されています。小菅村は山間の地なのですが、この山々が安全をもたらし、森や川の恵みにあふれた生活しやすい土地だったようです。
そんな小菅村は戦後、東京都の復興のための木材供給基地として賑わった時期がありました。そして供給跡地には大量の杉桧が植林されました。しかし、その後の木材の自由化により森林は維持管理が難しくなり現代に至っています。その時期に植林された杉桧が伐期と言って木材として利用最適な時期に来ています。このまま放置すると森林は徐々に衰え植林された木材も利用されることなく老木になってしまいます。
小菅村ではこの木材の利用に着目し、タイニーハウスプロジェクトを立上げました。森を維持するために少しずつ間伐や伐採を行い、森を明るくするとともに再植林や広葉樹林への変換を行うことにより森に元気を取り戻す事が出来ると考えました。使わない事には森林の活力は失われていってしまいます。
里山に代表されるように森林は人とのかかわりの中で再生されていきます。人が森の中に入っていく事により、森林は生き返ります。その流れを、タイニーハウスを通して実現していきたいと考えています。森の中に空地を作り、太陽の光が地面に届くようにし、そこで人が暮らすことにより森との共生関係が出来るのではないでしょうか。
近い将来、都市インフラは老朽化を迎え、上下水道、ガス、電気等利用できない地域が発生するでしょう。そんな時に自立できるタイニーハウスは、大きく役立つ住まい方になると思います。
そんな時代が来ても自立して行ける住まい方を考えていく事は重要な事ではないでしょうか?
人間は森の中で生まれ、また森に帰る。自然とともに共生していく事を考える事は未来の住まい方を考える事に繋がると思います。
募集内容
森の中に家を建てると言っても様々な問題があります。インフラ(水・エネルギー・排水)はどうするのか?建設資材はどう運ぶのか?人や車はどうやってアクセスするのか?買い物は?病気になったらどうすればいいのか?虫や動物は来ないのか?コミュニティーは?でも便利な生活はしたい。
自然の中で暮らすにはそれなりの工夫が必要と思います。省エネ、省資源、省スペースのタイニーハウスはこれらの問題を解決するうえでは優位性を持っていると思います。このタイニーハウスをベースとした新しい住まい方の提案を皆様から募集します。
建物の構造・規模は木造10㎡から20㎡程度、階数は2階建までとします。
オフグリッドに対する提案、建設方法の提案、住まい方への提案、自然と共生する住まい方等、さまざまなアプローチが考えられると思います。今回はタイニーハウス単体だけでなく周辺の環境も取り込んだ提案を募集したいと思います。
「森林(自然)をどう活用するか」、皆様からの応募をお待ちしております。
最優秀作品は設計後、小菅村内に建設されます。また、商品として販売して行く予定です。ふるって応募ください。